『ルフ鳥を追って』
2007年 07月 31日
7月25日、アテネ。
待ち人来たらず。
私の前に置かれたギリシャワインの瓶だけがむなしく増える。
今回の依頼は私一人では少々難しい。
そこで、応援を頼んだのだが…海戦前ということもあり、向こうもいろいろと忙しいようだ。
今回の依頼は、ルフ鳥の探索である。
ルフ鳥はロック鳥とも言い、千夜一夜物語…アラビアンナイトで知られている。
伝説の伝えるところによると、その鳥は象を一掴みにし、艦船すら打ち壊したという。
無論、伝説である。
だが、どんな伝説でも元となった鳥がいるはずで、それを探して欲しい、そういう話なのだ。
正直、こういう話が一番厄介だ。
目標がわかっていればそれについて情報を集めていけば足りるが、こういう話になると、調査するべきものは何か、というところから始めなくてはいけない。
一人でやるより、腕の立つ同業者がもう一人欲しい。
少々いらいらしながら、酒瓶を積み重ねているのはそのためだ。
…正直、ワインはもう入らない。
平気な顔で飲んでるのはドゥルシネアくらいだ
ミュリネーにミルクを注文し、げんなりと啜っていると酒場のドアが開いた。
チップ氏だ。
この日の彼の姿は奮っていて、緑の絹のシャツに柔らかそうな毛皮のドガリーヌを合わせ、首からは新大陸のものとおぼしき翡翠の首飾りをかけていた。
まさに熟練の冒険者という出で立ちで、見るからに頼もしい。
冒険者たるもの、身だしなみは大切だと思う…彼の横に並ぶと、私の格好も非常にみすぼらしいとは思うが…。
実はチップ氏は以前から身だしなみには気を遣う男で、着ている服は今回のドガリーヌといい、以前のドルマンといい、贅沢な、それでいて品のいい服を選んできている。
あの靴を履かない男に爪の垢を煎じて飲ませたいほどだ。
ともあれ、頼りになる相棒を得て、まず最初の目的地であるアレクサンドリアへ。
途中、
という疑問が…チップ氏曰く
とのこと。
ちなみに、アラビア語ではアル=イスカンダリーヤという・・・いずれにしても『アレキサンダーの街』には違いないというわけだ。
このアレキサンダー大王というのは非常に影響力のある男で、アレクサンドリアを始め、イスラム教のコーランにもイスケンデル=ズル=カル=ナインという名前で出ていたり、はたまたトルコで食べたヨーグルトのかかったケバブ(羊の焼き肉)はイスケンデル=ケバブという名前を付けられていた。
どこまで本当なのかわからないが、その死から2千年程たった今でも我々の心を惹きつける魅力のある男には間違いない。
…さてそのアレキサンダーの街で情報を集めてみたが…やはりアラビアンナイトから得られるものは少ない。
ただ、どうもアラビアンナイトの他に『東方見聞録』にもそんな記述があったという話がでた。
どうもセビリアの学者が詳しいらしく、私達は一路セビリアに向かう。
途中、チップ氏が
と騒ぎ始める…。
2000000ドゥカートほど持っていたようだ。
…危険地帯でなくて良かった…。
道すがら、船の本棚から東方見聞録を出してきて目を通してみる。
『形はワシに似ているが、それとは比較にならないほど大きい。翼は広げると15M・・』
なるほど、これか…。
セビリアの学者に聞いてみると、どうもこの鳥はマダガスカル島に住んでいると言うことだ…。
あの島はイヤと言うほど行ったり来たりしたが…まだそんな鳥が住んでいるとは思わなかった。
さらに、小憎らしいモザンビークの街役人の顔を思い出し、少々うんざりしたがそれでも行かざるを得ない。
セビリアを出て、喜望峰を目指す。
途中、船が汚れてきたが、とたんにチップ氏から無情の宣告。
chipmunk>疫病になったら切りはなす
マルコ>一緒に地獄に行ってみないか!!!
chipmunk>生きるためじゃ
幸いロクサーヌがすぐに掃除をして事なきを得、また、その後本当に疫病が蔓延したが、やはりロクサーヌが素早く薬を配って事なきを得た…。
いつも通りといえばいつも通りだ…。
そして…結局到着したのはタマタブ…どうも肝心な情報を持っているのが、街役人らしいということが判明し、話を聞いてみるとやはり西マダガスカルの話だという。
何故、西マダガスカルでの発見物は、わざわざ東マダガスカルのタマタブまで情報収集にこなくてはならないのだろうか…。
釈然としないまま、西マダガスカルへ。
タマタブを出ると、チップ氏は南へ舵を切った。
マルコ>チプさんは南回りがお好みか………
chipmunk>南のがいいんだよ、風がな
私はいつも北に舵を切っている。
最短距離のような気はするのだが………ただ、海賊の数を考えると、チップ氏の方が正解かもしれない。
思ったよりもはやく現地に到着し、調査を行う。
確かに大きな鳥だった。
ただ動きはのろいし…簡単に狩ることは出来る。
ちょうど食糧が尽きかけていたこともあり、一匹狩ってきたが、一匹で十分船員の食料をまかなえる…。
いい補給地点にはなりそうだが…何となく胸騒ぎがするのは、何故だろうか……。
以前にも、こんな気持ちになったことがあった気はするが…。
ともかく、ザンジバルについてガーダに報告を頼む。
…実は今回、移動も発見もチップ氏に頼りきりという状況だった。
私が何をしていたか…
通訳だ。
<ルール34『何かしら仕事はすること』>
待ち人来たらず。
私の前に置かれたギリシャワインの瓶だけがむなしく増える。
今回の依頼は私一人では少々難しい。
そこで、応援を頼んだのだが…海戦前ということもあり、向こうもいろいろと忙しいようだ。
今回の依頼は、ルフ鳥の探索である。
ルフ鳥はロック鳥とも言い、千夜一夜物語…アラビアンナイトで知られている。
伝説の伝えるところによると、その鳥は象を一掴みにし、艦船すら打ち壊したという。
無論、伝説である。
だが、どんな伝説でも元となった鳥がいるはずで、それを探して欲しい、そういう話なのだ。
正直、こういう話が一番厄介だ。
目標がわかっていればそれについて情報を集めていけば足りるが、こういう話になると、調査するべきものは何か、というところから始めなくてはいけない。
一人でやるより、腕の立つ同業者がもう一人欲しい。
少々いらいらしながら、酒瓶を積み重ねているのはそのためだ。
…正直、ワインはもう入らない。
平気な顔で飲んでるのはドゥルシネアくらいだ
ミュリネーにミルクを注文し、げんなりと啜っていると酒場のドアが開いた。
チップ氏だ。
この日の彼の姿は奮っていて、緑の絹のシャツに柔らかそうな毛皮のドガリーヌを合わせ、首からは新大陸のものとおぼしき翡翠の首飾りをかけていた。
まさに熟練の冒険者という出で立ちで、見るからに頼もしい。
冒険者たるもの、身だしなみは大切だと思う…彼の横に並ぶと、私の格好も非常にみすぼらしいとは思うが…。
実はチップ氏は以前から身だしなみには気を遣う男で、着ている服は今回のドガリーヌといい、以前のドルマンといい、贅沢な、それでいて品のいい服を選んできている。
あの靴を履かない男に爪の垢を煎じて飲ませたいほどだ。
ともあれ、頼りになる相棒を得て、まず最初の目的地であるアレクサンドリアへ。
途中、
という疑問が…チップ氏曰く
とのこと。
ちなみに、アラビア語ではアル=イスカンダリーヤという・・・いずれにしても『アレキサンダーの街』には違いないというわけだ。
このアレキサンダー大王というのは非常に影響力のある男で、アレクサンドリアを始め、イスラム教のコーランにもイスケンデル=ズル=カル=ナインという名前で出ていたり、はたまたトルコで食べたヨーグルトのかかったケバブ(羊の焼き肉)はイスケンデル=ケバブという名前を付けられていた。
どこまで本当なのかわからないが、その死から2千年程たった今でも我々の心を惹きつける魅力のある男には間違いない。
…さてそのアレキサンダーの街で情報を集めてみたが…やはりアラビアンナイトから得られるものは少ない。
ただ、どうもアラビアンナイトの他に『東方見聞録』にもそんな記述があったという話がでた。
どうもセビリアの学者が詳しいらしく、私達は一路セビリアに向かう。
途中、チップ氏が
と騒ぎ始める…。
2000000ドゥカートほど持っていたようだ。
…危険地帯でなくて良かった…。
道すがら、船の本棚から東方見聞録を出してきて目を通してみる。
『形はワシに似ているが、それとは比較にならないほど大きい。翼は広げると15M・・』
なるほど、これか…。
セビリアの学者に聞いてみると、どうもこの鳥はマダガスカル島に住んでいると言うことだ…。
あの島はイヤと言うほど行ったり来たりしたが…まだそんな鳥が住んでいるとは思わなかった。
さらに、小憎らしいモザンビークの街役人の顔を思い出し、少々うんざりしたがそれでも行かざるを得ない。
セビリアを出て、喜望峰を目指す。
途中、船が汚れてきたが、とたんにチップ氏から無情の宣告。
chipmunk>疫病になったら切りはなす
マルコ>一緒に地獄に行ってみないか!!!
chipmunk>生きるためじゃ
幸いロクサーヌがすぐに掃除をして事なきを得、また、その後本当に疫病が蔓延したが、やはりロクサーヌが素早く薬を配って事なきを得た…。
いつも通りといえばいつも通りだ…。
そして…結局到着したのはタマタブ…どうも肝心な情報を持っているのが、街役人らしいということが判明し、話を聞いてみるとやはり西マダガスカルの話だという。
何故、西マダガスカルでの発見物は、わざわざ東マダガスカルのタマタブまで情報収集にこなくてはならないのだろうか…。
釈然としないまま、西マダガスカルへ。
タマタブを出ると、チップ氏は南へ舵を切った。
マルコ>チプさんは南回りがお好みか………
chipmunk>南のがいいんだよ、風がな
私はいつも北に舵を切っている。
最短距離のような気はするのだが………ただ、海賊の数を考えると、チップ氏の方が正解かもしれない。
思ったよりもはやく現地に到着し、調査を行う。
確かに大きな鳥だった。
ただ動きはのろいし…簡単に狩ることは出来る。
ちょうど食糧が尽きかけていたこともあり、一匹狩ってきたが、一匹で十分船員の食料をまかなえる…。
いい補給地点にはなりそうだが…何となく胸騒ぎがするのは、何故だろうか……。
以前にも、こんな気持ちになったことがあった気はするが…。
ともかく、ザンジバルについてガーダに報告を頼む。
…実は今回、移動も発見もチップ氏に頼りきりという状況だった。
私が何をしていたか…
通訳だ。
<ルール34『何かしら仕事はすること』>
by Nijyuurou
| 2007-07-31 23:51
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