大航海時代online Boreasサーバー  マルコの航海日誌


by Nijyuurou
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カテゴリ:依頼記録( 9 )

『調べに魅せられて』

 ナポリ、晴天、微風。

 私は嫌な顔をした。

 嫌な顔をして、何処の馬鹿がこんな依頼を持ってきたんだ、と毒づいた。
 冒険者ギルドの斡旋人は、鼻で笑うと、まさか本当に伝説を信じてるわけじゃないだろうな、と呆れたようにいった。
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 あのナ、と私は言い返す。
 セイレーンというのは、本当にいるものだ、と私は思っている。
 ただの伝説、という向きもいるだろうが、船乗りならば必ず、海上に流れるあの美しくも奇妙な調べを聴いたことはあるだろう。
 大体、私はそういった『オカルト』の絡む依頼で何度も痛い目にあっているのだ。

 ・・・そこまで言うと、斡旋人は首を振って、そこまで言うなら、まあ別のやつに頼むとしようか、といった。
 
 そして、こう付け加えた。
 
 しかしマルコ、お前金無いんだろう。
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 私は憤慨し、馬鹿にするな、と怒りの声を上げた・・。
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by Nijyuurou | 2009-11-11 00:19 | 依頼記録
10月25日、ヴェネチア。

 人が負けるのは、いつだろうか。

 誰かが勝ち負けを決めた時?

 それとも、体が動かなくなった時?

 そうではない。

 人が負けるのは、心が折れた時だ。

『注意……おかえりと言えるまで、の内容を含む!』
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by Nijyuurou | 2007-10-27 23:29 | 依頼記録

『バシリアス』

 8月15日、アテネ。
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 ふぁぶりす氏……そして、援護に来てくれたrinoa嬢と落ちあい、サラマンドラ海賊の本隊を叩く依頼を引き受けた。

 世に『バシリアス』として知られている依頼である。
 正直、緊張した。
 思わず、下手な軽口を叩いてみたりするが……
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 不安は消えない。

 ガレアス相手に中型船でどこまでやれるだろうか……。
 
 とりあえず、撃沈されないことだけ考えてみるか。。。いや、それでも撃っていかなくては意味がない……考えることしきりだ。
 
 一方、ふぁぶりす氏はくつろいだ感じで、
 
ふぁぶりす>補助帆はないわ、装甲ないわw

 と、いった感じ…くつろいだものだ。 
 結局、問題の海域に向かう前にシラクサにより、鉄板二枚を購入してから出発することとした。

 
 チュニス沖はあいにくと霧………。

 風もほとんど無い。
 
 いかにもガレーの好みそうな海域…そう思っていると、見張り台のドゥルシネアが大騒ぎを始めた。

 その指の先を辿ってみると。霧の向こうにおぼろげな艦影が見える。
 大型艦…ガレアスだ。
 数えてみると…1、2、3…そんな甘い数ではない。
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 思わずそんな言葉が口をついて出た。

 ふぁぶりす氏から教わった敵の戦力が頭をよぎる。
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 私は唾を飲み込むと、ロクサーヌに水夫の指揮を執るように叫び、舵輪にしがみついた。
 
 慌てて舵を切ると、今いた位置に盛大な水しぶきが上がる。

 半端な火力ではない。 
 
 同時に、前方のふぁぶりす艦の側砲が火を噴くのが見えた。
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 一撃である。
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 海戦での彼の姿を見るのは初めてだが、やはり水を得た魚のようだ。
 見事と言うほか無い。

 バシリアス艦隊が慌ててふぁぶりす艦に砲撃を集中し始める。

 私は面舵をいっぱいに切り、バシリアス艦隊の後方に回り込んだ。
 相手の意識はふぁぶりす氏に釘付け…何隻かこちらのに合わせようとした艦の動きも遅れている。

 船の大きさで負けている分、小回りではこちらだ。

 大きく船体が傾ぐ。

 9時方向にはこちらに船尾を向けたガレアスの姿が見えた。

 船体が復元した瞬間、ロクサーヌが撃て、と叫ぶ

敵船バシリアスを撃沈しました!
バシリアスに大打撃を与えました!
バシリアスの船が航行不能になりました!

 船員達が大きく歓声を上げた。

 いける。
 
 状況は厳しいが、何とか戦える…。

 が…そこからがいけなかった。

 気がつくと、リノア艦とバシリアス艦隊の間に入り込んでいたのだ。

 まずい、そう思って舵輪を切ったが、すでに時遅し………。
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 船体の横に大穴を開けられた………。
 さすがに、数隻に集中砲火を浴びてしまうと、保たない…。
 
 位置の取り方を良く考えよう…そう考えていると、向こうの方でふぁぶりす艦が最後のバシリアスを仕留めるのが見えた。

 
 
 …その後、チュニスに寄港。
 
 シャジャルに頼んで報告をアテネに送り、解散と相成った。

 ちなみに…

ふぁぶりす>あ・・・買った鉄板つけてなかったww

 という事実が判明したり…

ふぁぶりす>さて、制服に着替えないとw
 
 と言いつつ着替えた彼の服が
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 こんな様であったり………。
 曰く、
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 ということらしい。
 靴を履いていないのは例の病気の影響だそうだ………。
 

 ………正直、戦闘海域の彼とは別人のようだ…。

 まあ、人間とは誰しもそう言うものかもしれない…。



<ルール40『位置取りに気をつけること。』>
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by Nijyuurou | 2007-08-19 23:45 | 依頼記録

『冒険者というもの』

 7月27日、リスボン。

 最後の一枚の依頼斡旋書を叩き付ける。

 だが、結局無惨な結果に終わった。
 
 私の求めているのは『悪魔の使い』にまつわる依頼だ。
 悪魔の使いといっても、錬金術師の連中が騒ぐような神秘的な話ではなく、実際にいる生き物…七色に色を変えると言われる生き物にまつわる依頼だ。

 ところが、なかなかそういう話は舞い込んでこない。

 リスボンの斡旋人250枚程斡旋書を叩き付けたが、全くお話にならない。
 これで俺の手持ちの斡旋書は使いきってしまった…。
 ナオ嬢が不安そうな顔でこちらを見る、俺は黙って首を振る。

☆nao☆は依頼仲介人の首に剣をあてて脅した
マルコ>;
☆nao☆は依頼仲介人に怒った

 俺は慌てた。
 
 冒険者ギルドに目を付けられたのでは、近日中に明日の食料代も払えなくなるのは目に見えている。
 俺はナオ嬢を引っぺがすと、依頼人に愛想笑いをして見せた。
 斡旋人はさすがにこういう事態に慣れっこで、すました顔で次の斡旋書を渡すよう、俺に言った。

 だが、渡せといっても無い物は渡しようがない。

 バザーかどこかの商館で購うか、それとも一端カリカットまで戻って集め直すか…。
 が…そう考えて本日の探索を打ち切ろうとした時である……ナオ嬢が仕方ないという顔で自分の鞄を開けると、斡旋書100枚取り出して俺に手渡した。

 俺は感謝するというより………剣を抜く前に先ず鞄を開けてくれ…そう思ったが、口に出したら酷そうなので黙っておいた。

 ……結果、もう20枚ほど斡旋書を切った時、目指す依頼を引き当てることが出来た。
 同時にドゥルシネアがリスボンにネス嬢が到着したとの知らせを持ってくる。
 彼女もこの依頼を求めていて、この機会に一緒に調査をするという段取りになっていたのだ。
 
 俺、ナオ嬢とそのお連れ、、ネス嬢が今回の調査メンバーだ。
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 …まず、依頼人のバルディ頭取の話によると、酒場の噂話がすべての発端らしい。
 
 とりあえず酒場でクリスティナに話を聞いてみると、どうも以前に来た冒険者が毒を持ち、悪魔の使いと言われる動物の話をしていたらしい。
 クリスティナを口説こうとしたらしいが…センスのない話だ。
 …私ならもっと旨くやる。
 
 ………はずだったが、その後しばらく歓談し、クリスティナの部屋に上がり込もうと言う私のもくろみは失敗に終わった。
 
 ともかく、その冒険者はアフリカ方面から来たそうで、他の酒場でもこういった話をしている可能性が高い。
 
 あちらに向かいながら、航路の酒場の看板娘から話を聞いていくしかない。

 とりあえず、サンジョルジュのラエマに話を聞いてみると、やはりその男はここでも悪魔の使いの話をして、彼女を困らせたらしい。
 正直、女性を口説くのに毒のある生き物の話はどうだろうか…。 
 …私ならもっといい話をする。

 ………はずだったが、先日インドで退治した人食い虎の話は不発に終わった。
  
 …仕方がないので、冒険に戻る。
 
 航路を確認すると、次の目的地はケープだ。
 アリデスおばさんならば何か知っているかもしれない。
 
 一路ケープに向かったが、途中艦隊を先導していたネス嬢から応答が無くなり…。
 船がドンドン南へと流れていく。

 ナオ嬢も不安そうだ。
 何かトラブルでも起きたかと思い、ネス嬢に手旗で確認を取ると…

ネス>東でおk
 
 そう短く通信があった。
 半信半疑で追従すると…
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 彼女の言ったとおり、ぴったりの位置に到着。
 サンジョルジュからケープまで、舵を切ったのはわずかに2度。
 素晴らしい操船技術を見せてもらった。

 …アリデスおばさんに話を聞いてみると、くだんの冒険者はやはりここでも悪魔の使いの話をして客達を怒らせ、店から追い出されたらしい。
 全く、空気の読めない男は困ったものだ。
 俺は馬鹿な冒険者に呆れつつ、周りの船乗り達に悪魔の使いについて、さらに詳しく聞き出そうと試みる。

 ……が、何故か周りの雰囲気がどんどん険悪になり…あわや殴り合いになりそうになったため、俺は慌てて自分の船に逃げ帰ることとなった。
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 …心に痛いのは何故だろう。
 ともかく、次はザンジバルだ…。

 途中、得意の舟歌を歌い
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 ナオ嬢もネス嬢も、私の才能に驚いていた。
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 我ながら、自分の歌もたいしたものだと思う……船乗りをやめたら、今度は吟遊詩人になろうかと思う。

 …ザンジバルでガーダに話を聞いてみると、不吉な話だと顔をしかめながら、その生き物はマダガスカルの内陸に住んでいる、そう教えてくれた。

 冒険者は危険が好きなんだな、そういわれたが…別にそういうわけではない。
 ただ、私達の行く先が危険なだけだ、私は危険なぞまっぴらごめんである。
 私が危険が好きなのではなく、危険の方が私のことを好きなのだろう。
 いずれにしても厄介な話だ。
 
 今回はマダガスカルがらみの依頼にしては珍しく、タマタブ経由ではなく、そのままマダガスカル西へと向かう。
 ここでカメレオンを求める旅は一端終わるわけだ。

 …長かった。
 
 あの日ナオ嬢にカメレオンを頼まれてから、あちこち走り回り、ようやくここまでこぎつけた。

 空を見ると、マダガスカル島の陸影に朝焼けの雲が出ていた。
 
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 …調査自体は意外とすんなり終わった。
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 なるほど、体の色を変えて森にとけ込み、見つかりづらい生き物だったが、ネス嬢が見つけて網を伸ばし、素早く捕まえる。
 
 これで、
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 長い依頼も終わりというわけだ。
 
 私の渡したカメレオンを、ナオ嬢はうれしそうに、躊躇無く頭に載せた。
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 …毒がある、という話も聞いていたが…ずいぶん懐いているようで、心配はないだろう……。
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 そう尋ねた私に返ってきた答えは…
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 …ともあれ、これで一つ決着がついた。



 ……時折、私のことを貢ぎ商、と呼ぶ人もいる。

 なるほど、貢いでいるように見えるかもしれないが…それは違う。  
 
 私の感覚では使っている、という感覚だ。

 世の中に二つと無い貴重な品を捕まえて、馬鹿なことをという人もいるかもしれないが、それでも私はこれが一番良い使い方だと、そう信じている。


 長い依頼をこなし、見つけた品をどうするのか?


 自分で使う?……いつ壊れるかと思って、思う存分使えなくなるのは目に見えているし、私には必要ない。

 では、売る?……苦労と危険の冒険の果て手に入れた品を、一千万ドゥカートを、ビスケットのように扱う金持ちに売りさばくのは、品のない話だ。

 それなら、倉庫に入れて保管しておく?…それこそ、虚栄というものだ。
 
 
 財宝など、いずれにしても手に余る代物なのだ。

 
 それならば、だ。

 美女の歓心を買うのに使うなら、それはそれで価値のある使い方だ。

 色気もある。

 その結果、冒険の苦労の果てに手に入れたのが細密画一枚になっても、それは十分…俺は胸を張って冒険者の報酬は冒険そのものだと言える。

 冒険の苦労は私、財宝は美女…フェアな取引だ。
 
 だが、宝物は手に入れるまで、そして手に入れる瞬間が一番面白いのだ。 


 手に入れた財宝に価値はない。
  

<ルール35『財宝に目を奪われないこと』>


・追記

 カメレオンの一件を終えて、俺はカリカットに針路を向けた。
  
 しばらく修行…今の俺ではまだ力不足なのだ。 
 ロクサーヌがちょっと困ったような笑顔で水夫に指示を出す。

 カメレオンに関しては、もう何も言わなかった。
 財宝は探しているうちが面白い。
 彼女もだんだんそれがわかってきたのだろう…。

 そう…もう次の依頼が舞い込んできている。 

 …次の依頼の期限はクリスマスだ。

 ロマンと品のある依頼じゃないかと思う。

 いい話だ。
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by Nijyuurou | 2007-08-04 18:38 | 依頼記録

『ルフ鳥を追って』

 7月25日、アテネ。

 待ち人来たらず。

 私の前に置かれたギリシャワインの瓶だけがむなしく増える。
 
 今回の依頼は私一人では少々難しい。
 そこで、応援を頼んだのだが…海戦前ということもあり、向こうもいろいろと忙しいようだ。

 今回の依頼は、ルフ鳥の探索である。

 ルフ鳥はロック鳥とも言い、千夜一夜物語…アラビアンナイトで知られている。
 伝説の伝えるところによると、その鳥は象を一掴みにし、艦船すら打ち壊したという。

 無論、伝説である。

 だが、どんな伝説でも元となった鳥がいるはずで、それを探して欲しい、そういう話なのだ。
 正直、こういう話が一番厄介だ。

 目標がわかっていればそれについて情報を集めていけば足りるが、こういう話になると、調査するべきものは何か、というところから始めなくてはいけない。

 一人でやるより、腕の立つ同業者がもう一人欲しい。
 
 少々いらいらしながら、酒瓶を積み重ねているのはそのためだ。
 …正直、ワインはもう入らない。
 平気な顔で飲んでるのはドゥルシネアくらいだ
 ミュリネーにミルクを注文し、げんなりと啜っていると酒場のドアが開いた。
 チップ氏だ。
 
 この日の彼の姿は奮っていて、緑の絹のシャツに柔らかそうな毛皮のドガリーヌを合わせ、首からは新大陸のものとおぼしき翡翠の首飾りをかけていた。
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 まさに熟練の冒険者という出で立ちで、見るからに頼もしい。
 冒険者たるもの、身だしなみは大切だと思う…彼の横に並ぶと、私の格好も非常にみすぼらしいとは思うが…。
 
 実はチップ氏は以前から身だしなみには気を遣う男で、着ている服は今回のドガリーヌといい、以前のドルマンといい、贅沢な、それでいて品のいい服を選んできている。

 あの靴を履かない男に爪の垢を煎じて飲ませたいほどだ。
 
 ともあれ、頼りになる相棒を得て、まず最初の目的地であるアレクサンドリアへ。
 途中、
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 という疑問が…チップ氏曰く
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 とのこと。
 ちなみに、アラビア語ではアル=イスカンダリーヤという・・・いずれにしても『アレキサンダーの街』には違いないというわけだ。
 このアレキサンダー大王というのは非常に影響力のある男で、アレクサンドリアを始め、イスラム教のコーランにもイスケンデル=ズル=カル=ナインという名前で出ていたり、はたまたトルコで食べたヨーグルトのかかったケバブ(羊の焼き肉)はイスケンデル=ケバブという名前を付けられていた。
 どこまで本当なのかわからないが、その死から2千年程たった今でも我々の心を惹きつける魅力のある男には間違いない。

 …さてそのアレキサンダーの街で情報を集めてみたが…やはりアラビアンナイトから得られるものは少ない。
 
 ただ、どうもアラビアンナイトの他に『東方見聞録』にもそんな記述があったという話がでた。

 どうもセビリアの学者が詳しいらしく、私達は一路セビリアに向かう。
 途中、チップ氏が
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 と騒ぎ始める…。
 2000000ドゥカートほど持っていたようだ。
 …危険地帯でなくて良かった…。

 道すがら、船の本棚から東方見聞録を出してきて目を通してみる。

『形はワシに似ているが、それとは比較にならないほど大きい。翼は広げると15M・・』

 なるほど、これか…。 
 
 セビリアの学者に聞いてみると、どうもこの鳥はマダガスカル島に住んでいると言うことだ…。
 あの島はイヤと言うほど行ったり来たりしたが…まだそんな鳥が住んでいるとは思わなかった。
 さらに、小憎らしいモザンビークの街役人の顔を思い出し、少々うんざりしたがそれでも行かざるを得ない。
 
 セビリアを出て、喜望峰を目指す。
 
 途中、船が汚れてきたが、とたんにチップ氏から無情の宣告。

chipmunk>疫病になったら切りはなす
マルコ>一緒に地獄に行ってみないか!!!
chipmunk>生きるためじゃ 

 幸いロクサーヌがすぐに掃除をして事なきを得、また、その後本当に疫病が蔓延したが、やはりロクサーヌが素早く薬を配って事なきを得た…。
 いつも通りといえばいつも通りだ…。

 そして…結局到着したのはタマタブ…どうも肝心な情報を持っているのが、街役人らしいということが判明し、話を聞いてみるとやはり西マダガスカルの話だという。
 何故、西マダガスカルでの発見物は、わざわざ東マダガスカルのタマタブまで情報収集にこなくてはならないのだろうか…。
 
 釈然としないまま、西マダガスカルへ。
 タマタブを出ると、チップ氏は南へ舵を切った。

マルコ>チプさんは南回りがお好みか………
chipmunk>南のがいいんだよ、風がな
  
 私はいつも北に舵を切っている。
 最短距離のような気はするのだが………ただ、海賊の数を考えると、チップ氏の方が正解かもしれない。
 
 思ったよりもはやく現地に到着し、調査を行う。
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 確かに大きな鳥だった。
 ただ動きはのろいし…簡単に狩ることは出来る。
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 ちょうど食糧が尽きかけていたこともあり、一匹狩ってきたが、一匹で十分船員の食料をまかなえる…。 
 いい補給地点にはなりそうだが…何となく胸騒ぎがするのは、何故だろうか……。

 以前にも、こんな気持ちになったことがあった気はするが…。

 ともかく、ザンジバルについてガーダに報告を頼む。
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 …実は今回、移動も発見もチップ氏に頼りきりという状況だった。
 
 私が何をしていたか…
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 通訳だ。

<ルール34『何かしら仕事はすること』>
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by Nijyuurou | 2007-07-31 23:51 | 依頼記録

『虎よ』

 7月23日、ヴェネチア。
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 長い旅の果てに、たどり着いた手掛かりは一枚の絵だった。

 ヴェネチアの依頼人から渡された細密画(ミニアチュール)。
 そこに描かれた白い虎。
 
 あれだけあちらへ、こちらへと引き回されたあげく、たどり着いた手掛かりがこの程度とは、あまりといえばあまりだが…。
 
 それでもやって見ざるを得まい。

 ともかく私はチョコ嬢にリスボンで落ちあおうと連絡すると、アドリア海を下って地中海を西に向かった…………。

 ところが、だ。

 リスボンで情報を集めてみようとしたが、全く埒があかない。
 …どうして、この大きな待ちで、一枚の絵の来歴を調べることが出来ないのか…。

 しばし思い悩み、そして焦りに焦って、ふと気がついた。
 地中海でもっともこういった東方の珍品の集まる街はどこか…。
 喜望峰航路が確立されたとはいえ、こういった珍奇の品は陸路で運ばれることが多く、そしてそれを求める金満家の多い街といえば………一つしかない。

 ヴェネチアだ。
 
 私は自分の迂闊さ加減を罵りながら東へと戻る。
 どうも目指す依頼を受けて、舞い上がっていたようだ…。

 が…ヴェネチアで話を聞いてみても、インドからの交易路のどこかで手に入れたものだということくらいしかわからない。
 細密画は元々イスラム圏のものだということくらいは知ってる。
 こうなってくると、少々面倒だが港々で話を聞きながらインドまで行ってみるしかないだろう…。

 リスボンでチョコ嬢と落ちあうと、私は南へと針路を取った。

 …とはいえ、道中はいつもとあまり変わりない。
 あちらで地元の少女の話を聞いたり
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 こちらで香辛料店を冷やかしたりしつつ、のんびりと進んでいく。
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 その間に問題の絵をヨーロッパに送ったのは、カリカットの提督マリッカルではないかということが判明した。
 …寄り道もまんざら無駄ではないのだ。
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 マリッカル提督は突然尋ねていった私たちに嫌な顔一つせず面会してくれた。
 聞くところによると、どうもこの絵は手違いで送ってしまったようで、絵の返却を申し出たのだが、絵は好きなようにするがいいと受け取ってもらえない。

 それどころか、この白い虎…カリカットの学者が詳しいということまで教えてもらい、私達は何度も頭を下げて彼の邸宅を出た。

 マハ=ラジャとかいうのだろうか………このあたりには腹の太い男が多い。
 ヨーロッパの名士連中も見習って欲しいものだ…。
 
 …さて、問題の白い虎だが…ベンガル湾奥地で見た、という情報…噂のようなものだが、これに賭けてみるしかないだろう。

 途中カルカッタに寄港し、チョコ嬢の受けた依頼をこなしたが…チョコ嬢、どうも方向感覚を失ってしまったのか、地図を見ながら道に迷っていた。
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 …何とか、先導して奥地まで連れて行ったのだが………今度は私が山賊に襲われるというアクシデントも起きる。
 副官二名を船に残してきたのが悔やまれる…。

 しかし、チョコ嬢、以前は名うての冒険者だったはずなのだが…どうしたのだろうか。
 
 試しにふと
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 と聞いてみると、返ってきた答えが
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 …立派な軍人になって欲しいとは思うが、脳みそまで筋肉になることはないと思う…。

 ともあれ、我々はベンガル湾北岸に上陸し、白い虎が住むという奥地へと歩を進める。
 ジャングルというよりも湿地に近い森が延々と続き、じわじわと私達の体力を奪っていく。
 進めども進めども、白い虎の姿は見えない……。

 そのうち、湿気は消えて森が深くなり、遠くヒマラヤの峰が見えるようになった。
 
 これ以上の調査に意味はないのではないか、そう考えて撤退を考え始めていた、ちょうどそんな時期…。

 いつものように森の中で野営をしていた…ある夜のことだ。

 最初に気がついたのはドゥルシネアだったらしい。
私はちょうどその時毛布にくるまっていて、船員に揺り起こされて、初めてそれに気がついた。

 寝ぼけ眼を擦り、跳ね起きてみると、20mほど離れた古木の影から、それは姿を見せつつあった。
 
 ヒマラヤの雪のように白く、海のように青い目を持った白い虎。

 ぬばたまの夜の森の中、月光を浴びて燦爛と燃えて立つそれは確かに美しかった。

 本来なら、恐怖を感じてもいいのだろうが…あまりに突然のことに感覚、というのが麻痺していたのだろう、私達は全員立ちつくすばかりだった。

 と…ドゥルシネアが思わず漏らしたため息を合図にするように、そいつが動いた。
 一飛びにこちらに近寄ってくる。
 
 速い。

 私は、一体何を感傷に浸っていたのか…ここは荒野で、相手は夜行性の大型の猛獣なのだ。
 世界中でもっとも危険な動物を相手にして注意を欠いた自分自身に、私は舌打ちした。
 
 ドゥルシネアを押し倒すとベルトからピストルを引き抜いて、狙いも付けず撃った。

 一瞬後、白い虎は私の横を風のように駆け抜けて、木にぶち当たり、そこで動かなくなった。
 
 …沈黙を破って、押し殺した嗚咽が聞こえる。
 ドゥルシネアだ。
 まだ、ああいう場面は慣れていないのだろう。
 少々刺激が強かったかもしれない。
 その肩をそっとロクサーヌが支えている。
 傍らにはまだ硝煙の上がるマスケット。

 伏した白い虎を調べてみると、その瞳を銃弾が撃ち抜いていた。

 私の撃った弾なのか、ロクサーヌの弾なのかは定かではない。
 
 私は大きくため息をついた。


 …次の日、私は虎の処理にかかった。

 血を抜き、皮を剥いで鞣し、肉は食べられれそうな部分は保存して、その他は地面に埋めた。
 …虎など食べるものではないが、何となく捨ててしまうのははばかられたのだ。 

 そして、頭は綺麗に処理をして、兜の形にしつらえた。
 正直、虎を見るだけのためにここまで来たのだが…結局チョコ嬢の望み通りになったか。
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 ロクサーヌが呆れた顔でため息をつく。
 が…約束してしまったものは仕方ないではないか…。
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 ………なかなかよく似合うとおもう。
 
 とはいえ…ただで上げてしまうのももったいなく思い……報酬を要求することにした。

 頬にキスを、それが私の望みだ…。
 そっと目を閉じて待つと

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 ロクサーヌがもう一つ大きなため息をついた…。

<ルール33 ~ 『女との約束は守れ』>

 追記。

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 何とか報酬を支払ってもらい、カリカットでチョコ嬢と分かれる。
 
 ドゥルシネアが、苦労した割には実入りはなかったね、と恨みがましい目でそういった。

 私はバッグから一枚の紙を出して、彼女に示した。

 ロクサーヌがくすりと笑う。
 
 ヴェネチアで手に入れ、マリッカル提督から譲り受けた細密画。
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 長い旅の果てに、私の手に残ったのは一枚の絵だった。

 それで十分だ。
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by Nijyuurou | 2007-07-29 22:22 | 依頼記録

『鎧を着た釣り人』

7月22日、カリカット。

 後一歩で白い虎の情報が入ってくる。

 だが、その条件となる依頼というのが酷い話で、何でも人食い虎を退治してくれという話だった。

 ロクサーヌがいくら腕が立つといっても、人食い虎が相手では分が悪い。
 ドゥルシネアが加わっても危ない。
 悲しいかな、私が入ってもさほど変わらない……。
 
 私の船は乗組員14人・・・正直、そんな人の肉の味を覚えた大型の肉食獣の相手はごめん被りたい。

 そんな時である・・・近海にいるT-Star氏から着ていた鎧が壊れたので、新しいものの発掘を頼みたいという話が舞い込んできた。

 ………飛んで火にいる夏の虫とはこのことだ。

 T氏はロクサーヌよりも腕が立つ。
 船員もガレアスなので100人以上。
 虎退治にこれ以上心強い味方はいない。

 …だが、依頼の危険さを悟られていけない。
 俺は何気ない風を装ってT氏に、ついでに虎を見に行かないか、そう持ちかけた……。

 T氏は無邪気に笑って、虎とは面白い、そう言った。
  
 しめしめだ………。
 そして…
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 あっけなく虎退治は終わった。

 あまりにあっけなく、完全武装のウチの船員はあっけにとられている。
 
 ホルムズでもらってきた毒薬が良く効いたおかげで、全く被害はない。 
 …これならウチの船員どころか、俺一人でも十分けりがついた…。
 
 …………とりあえず、向こうで物珍しそうに虎の顔をのぞき込んでいる男の依頼をこなそう…どうやらこっちの方が大変そうだ。

 彼の依頼はデメトリオスの鎧の発掘。
 何でもアデン付近に埋まっているという話なのだが…

 悪いことに、ちょうど変装用の服が破れてしまい、アデンに入れ無いのではないか、というところからまずつまづいた。
 運良くちょうど居合わせたイングウェイ氏に服を一着だけ借りる事が出来、一路アデンへ。

 …だが、アデンについてみると様子がおかしい…。
 いつものようなオスマン役人の厳しい検査がない。
 普段の服で港に上がり放題だ。
 よく見ればフランスの旗が翻っている。

 ………そう、いつの間にかアデンはフランスの同盟港になっていた。

 フランスの勢力が伸びることを快く思わないヴェネチア人もいるだろうが、密輸商の私には関係のない話だ。
 むしろ、良くやってくれたと拍手したい気持ちでいっぱいだ。

 が、入港して、まずやったのが、二人しておそろいの服を買うこと。
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 ………とりあえず、必要不必要は別にして、雰囲気のある服装は心がけたいところだ。

 …情報を集めてみると、どうも発掘地点はホルムズらしく、二人して粛々と砂漠に向かい、穴を掘った。

 …………鎧は無事に見つかったのだが、しかし、海事に使うのだろうか………そう思って、彼の方を見たところ…
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 釣り師?
 ………さっきから船はガレアスだったような………船員も100人乗っていたはず……。
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 やはり…まさか、この船で釣りの訓練をしていたのか………。
 まさかと思って聞いてみると、さらに鎧を付けたまま釣りをしていたらしい。

 こ、この男………
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<ルール33『釣りは思いのままの姿で楽しむべし。』>

~追記。
 先月、この記録で、ある女性の姿について問い合わせがあったり、まだ見つけられてないんだかわいそう、等言う怪情報が飛んだりしたことがあった。

 実はその時、私も記録をどこかにやってしまって、探し回ったのだが…。
 このたびその時の記録が見つかった。
 当時の記憶のある方は、思い出して、ああそんなこともあったな、と懐かしんでもらえればイイかな、と思う。
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 我ながら、良くできたと自画自賛だ。
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by Nijyuurou | 2007-07-24 21:16 | 依頼記録

『いとかわゆげな』


7月15日、マルセイユ。

 以前、ナオ嬢にカメレオンの約束をしてしまって20日が経過した。

 一月で…という約束だったのだが、少々難しいかもしれない
 しれないのだが、それでも何とか頑張らざるをえないのが、男の辛いところだ。

 いつの間にかチョコ嬢に虎兜を進呈する話にもなっており…頭の痛いところだ………。

 ともあれ、愚痴を言っていても仕方がない。

 きっちり仕事をすれば、必ず報われると信じて、私はギルドの生物調査の依頼を続けていた。
 
 というわけで、今日の依頼はこれだ。
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 禁断のイチゴか…。
 イチゴといっても大きさや色が似ているというだけで、実際にはカエルらしい。
 
 しかしこの間から、禁断とか、禁書とか、そういうのが続いている気がするが…まあ、気にすまい。

 マルセイユやセビリアの学者の話によると、今度の目的地はどうもカリブらしい。

 最近、雪だの白夜だのが続いていたので、気分転換にはちょうどいい。

 大西洋を越えるころにはだんだん気温も上がってきて、南国の気配が近づいてきた。
 正直、インドも南国だが湿気が凄い。
 その点、カリブの方が過ごしやすく、休暇には最適だ。

 …虎とカメレオンの一件にけりがついたら、カリブでしばらく休暇もいいな、と思う。

 ともあれ、今は依頼をこなすのが先決…サンティアゴの船乗りが詳しいということなので話を聞いてみたが…問題のカエルは意外と強力な毒を持っており、ことによると人間が死ぬこともあるそうだ。
 …何とか手段を講じないと、調査もままならない。
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 サンティアゴ中で聞き回った結果、どうもジャマイカの船乗りが詳しいらしい。
 早速話を聞いてみたところ、
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 要するに触るな、ということか。
 …常識的に考えれば、まあそうだろうな…………。
 問題のカエルは南米北岸の高地に生息しているという話で、一路進路を南に取った。

 カエルが嫌いな副官二名を船に残して、高地に上陸。
 以前、この南米北岸には来たことがあったが、何度来ても凄いところだ。
 荒涼とした、という表現がしっくりくる。

 ともあれ、カエル自体はさほど発見の難しい場所にはおらず、
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 あっけなく発見。
 本当に小さなカエルだ。
 色も鮮やか。。。毒々しいというより、むしろ可愛らしいカエルに見えるが…やはり猛毒があるのだ。
 
 綺麗な花にはとげがあるというが、その点は動物も植物も変わりない。

 人間だってまた然り、だ。

<ルール30『見た目で判断すると痛い目にあう』>

追記。

 南米から一路セビリアに帰投。
 セビリアの酒場でくだを巻いていると、物騒な格好をした少女が
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ベルナベウ >>>えと、マルコさんやアデイルさんのブログを拝見してまして

 と声を掛けてきた………。
 ・・・・・。
 こういう経験初めてで、少々緊張したが。。。どうも、ウチの商会に入会希望の子らしい。

 ありがたい話だ。
 少女はベルナベウと名乗った。
 
 非常に元気のいい子で、話を聞いてみると、どうも、海軍候補らしい。
 それでこんな物騒な格好をしているのか。
 …ふと思いついて足元を見てみたところ
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 やはり靴を履いていなかった…………。
 海軍の連中はいつもこうだ…………。

 …にしても、ウチの商会は何でこうまだ幼い女の子が多いのか………。
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 ………まあ、それは大丈夫だが。
 アデイル嬢もユリーシャ嬢も・・・・・・
 
 やめよう。

 私も命が惜しい。
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by Nijyuurou | 2007-07-16 23:52 | 依頼記録

『レスボスの女』

7月13日、ストックホルム。

 南方で災難に遭い、それに懲りて今度は北の果てを目指した…訳ではなく、手持ちのストックホルム北の地図をこなすために、寒さを嫌がるクルーを説得して、ここまでやってきた。

 ストックホルム北…ボスニアまで行って、山猫の調査やルーン文字の調査を行うが、これといって目立った発見物でなく、放っておくのも問題なのでこなしている、というだけの話で緊張感は薄く、それよりも、まず、寒い……。

 早々と調査を切り上げて、酒場でイングリッドをからかっていると、冒険者ギルドの斡旋人がやってきた。
 
 信用のおけるヤツにしか頼めない仕事があるという。
 正直、密貿易なぞやっていると、一般人からの信頼というものが宝物のように思えるから、不思議なものだ。
 とりあえず、話だけでも聞いてみることにしたのだが…。
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 訳がわからない。
 よりにもよってストックホルムからアテネまでなどと、こんな馬鹿な依頼をしてくる依頼人も依頼人だが、斡旋する方もする方だ。
 他の依頼は、と尋ねて見たが、どれもヴェネチアに行けだの何だのという話ばかりだ。
 この依頼人、お馬鹿なのかサディストなのかどちらかだ…。

 とはいえ…禁書…というのは、魅力的な話ではある。
 この手の人の目に触れない本というのは、学者のようなことをやっていると、どうしても興味をそそられる。
 禁書、という言葉の淫靡んな雰囲気もまた、いい。

 結局、私はこの依頼を受けた。
 ロクサーヌからは、斡旋する者もする者だが、受ける方も受ける方だというもっともなお叱りをいただいた…。

 ともあれ、受けた以上はしっかりと依頼はこなす。
 ストックホルムで食料と水を満載すると、一気に南下し、ドーバーを越え、ジブラルタルを抜け、地中海を渡ってエーゲ海へ。
 
 アテネに着くと、私は久々の陸地に浮かれる乗組員をよそに、その足で顔見知りの学者のところに向かった。
 かくかくしかじかと事情を説明すると、それはギリシャの女流詩人、サッフォーのことだという。

 この女性、詩の方は10人目の詩の神といわれるほどの美しい詩を作ったらしいが、内容が少女への熱情を歌ったものが多く、そのせいで今でも禁書のような扱いを受けているらしい。
 では、見せてくれ、という私に学者は首を振り、この街に詩集を集めていた者はいる、といい、
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 と続けた。

 こいつ、私に泥棒の真似をしろといいたいのかと少々憤慨したが…考えてみれば私は真似ではなくて本職だった。

 私は学者に礼を言うと、そのままその空き家に向かう。
 こういう仕事は一人の方がやりやすい。

 …ゴア北で鍛え抜いた開錠で、空き家の鍵はあっけなく開き、私は難なく屋内に侵入。

 人の気配はなく、妙にカビくさい匂いが鼻を突いた。

 まず本棚を確かめてみたが………やはり、それらしいものは入っていない。
 ものが禁書だ…わかるようなところには隠すまい…。
 注意して室内を見回すと………本棚の横の棚が目についた。
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 調べてみると、引き出しの奥が隠し棚になっている。
 棚には厳重に鍵が掛けられており………ご丁寧に罠まで仕掛けてあった。
 成る程、見られたくないものを隠していたのだろうということは、よくわかった。
 私も若いころ、見られたくない本はこういうところに隠したものだ。
 
 手早く罠を外し、中を覗いてみると、風化しそうなパピルス紙や、手垢でぼろぼろになった羊皮紙の束・・。
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 書かれた文字は古ギリシャ語であったり、ラテン語であったりだ。
 私は、少々興奮気味に、それらの文字に目を通した…。

    
    輝く朝が播き散らしたものを

    すべて連れ返す宵の明星よ

    あなたは羊を返し、山羊を返し

    母のもとへ子を連れ返す


 …美しいじゃないか。

 これのどこに禁書になる要素があるというのだ。
 大体、ローマ教会の連中にしろ、プロテスタントの連中にしろ、ギリシャ=ローマの文化に対して偏見がありすぎるのだ。
 では、次の詩…。

    香り高い胸の女神への愛らしい贈り物

    少女たちよ狂わしくあれ、竪琴の調べに

 ……………………。

 おや?

 ……………………………。

 何枚か続きをめくってみる。

 ………………。

 どう考えても、このサッフォーという女性、お弟子との間に師弟関係以上の関係があったのは間違いないだろう。
 こんなものが頭の固い連中の目にでも触れると、本当に焚書されかねない。
 とはいえ、問題のありそうな詩以外は、本当に素晴らしいんだ…。

 問題のありそうな詩も素晴らしいのだが、これが一般的に受け入れられるようになるのに、後4~500年はかかるだろうという話だ。
 
 なんとか、後世に残さなくてはならないだろうが…。

 ………。
 
 結局、私は悩んだ末、詩集の中の問題の少なそうなものだけを選び出し、ギルドに報告した
 渡しただけの詩は必ず後世に残してくれるだろう、私はそう判断した。

 そして…残された、この問題のある詩。
 これは、一時私の元に止めおくことにした。

 何カ所かに分けてに隠しておくのがいいだろうと思う。
 この詩は、まだ世の中に出るのは早すぎる。
 時が過ぎ、これを道徳とは切り離された単なる美しい詩としてみることの出来る時代になってから、誰かが見つけてくれれば、俺の思いは達するし、作者にしてもそう思うはずだ。
 
 俺は航海日誌に詩集を書き写すと、文書どこに隠すか考えはじめた。
 ………やはりアレクサンドリアあたりがいいだろうか……ヴァチカンの図書館あたりもそっと…………。

 …気がつくと眠っていたらしく、揺り起こされると、汚れ物を見る顔のロクサーヌと面白そうな顔のドゥルシネアが立っていた。
 手に航海日誌を持っている。

 …。

 …それは私が書いた訳じゃない。

<ルール29『見られたくないものは手早く隠せ』>
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by Nijyuurou | 2007-07-15 23:32 | 依頼記録