大航海時代online Boreasサーバー  マルコの航海日誌


by Nijyuurou
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カテゴリ:『愛は砂の彼方に』( 4 )

『虜囚は石壁の中に』

 アレキサンドリアのブタ箱。
 
 湿気多し、臭い悪し。



 目の前で星が舞った。 

 また、私の頭が石壁に叩きつけられる。

 汚れの染みついた石の壁。 
 すえた臭い。
 薄汚い藁のベッド。

 なるほど、理想的なブタ箱というやつだ。


 私たちを取り囲んだ兵士から告げられたのは、なんと我々が「盗掘団」であるとの罪状だった。

 私は持てる限りの語彙を駆使して、何とか誤解を解こうとしたのだが、説得の甲斐は無く、案内されたのが、このブタ箱、と言うわけである。

 そして、今、私の頭は幾度となく薄汚れた石の壁にキスをしている。

 
 私は心の中で呟いた。

 OK、マルコお前はまだへこたれちゃいない。
 これだけ打ち据えられても、まだ心は折れていない。
 体だって頑健だ。

 ここらで一つ、目にものを見せてやらないか。
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by Nijyuurou | 2010-01-12 00:59 | 『愛は砂の彼方に』

『憧憬は王女の影に』

 カイロ。
 
 曇天、西の風。
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 休憩所の親父は、少々小バカにした顔で私を見ると、それは、女子供向けの昔話でしょう、といった。
 私は背後にいるミミー嬢とスコール君を振り返り、何か問題でも、と聞き返す。
 親父は生ぬるい顔でへぇへぇと答え、それでしたら、まあ、街の女子衆にでも聞いてみることですな、と、ひらひら手を振った。

 何を言ってるんですか、と言葉のわからないスコール君が尋ねてくる。

 私はいやな顔をして、君のことがかわいいといってるんだ、と答えた。

 と、いうわけで、市場辺りに繰り出して、道行く女性に声をかけてみると、
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 という話を聞くことができた。
 聞いたことの無い伝説である。
 彼女からはもう少し話を聞いてみたかったのだが、そこまで言うと彼女は表情を硬くし、足早に歩み去っていたった。

 さすがに、敬虔なイスラム教徒の港だ。
 しかし、私がそういうと、ちょっと顔が近すぎたんじゃないですか、とミミー嬢が言う。

どういうことだ、と尋ねる私に、彼女は笑顔で答えなかった・・・。
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by Nijyuurou | 2009-12-09 00:19 | 『愛は砂の彼方に』

『訪問者はすぐそばに』

 カイロ。
  
 晴天微風。
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 港にはいるやいなや、スコール君は勢いよく駆け出した。
 実は俺、イスラム圏は初めてなんですよ、と意外と達者なアラビア語でいいながら、あちらの露天、こちらの露天をのぞき、ものめずらしそうに街行く人を見ている。
 私は変装用のタバールを直しながら、あまり目立つなよ、と彼をたしなめた。
 ところが、スコール君の耳にはまったく入っていないようで、彼は、あれが休憩所ってやつですね、といいながら走っていく。
 私はため息を吐き、それを見たロクサーヌが、今日は船長の方が錨の役ですね、と可笑しそうに言った。

私は顔をゆがめ、スコール君の後を追う。
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by Nijyuurou | 2009-11-29 19:51 | 『愛は砂の彼方に』

『始まりは花の姿に』

 私の名は、マルコ。

 ジェノヴァの密輸商。


 そう、密輸商、なのである。

 
 ・・・密輸商というのは何でもありの商売だが、中にはいくつか取り扱っていないものもある。

 私が取り扱っていないものも多々あって、たとえば奴隷などは私は絶対に取り扱わない。

 アウトローは自由が売りなのだ。
 その私が自由を売買するというのは、いかがなものか、と思うのである。

 法律で決められたのではない、私のルールに抵触する『禁制品』というやつだ。
 
 だが、こういう『禁制品』というのにぶち当たることは、なかなか無い。

 通常、冒険者ギルドからの依頼で手に入る報酬や、ちょっとした盗発掘で手に入る品、それに、海賊などから巻き上げる品々で、そういうちょっと気に入らない品、というのはあまり無いのだ。

 逆に、ちょっと金になりそうだという大きいヤマに限って、『禁制品』にぶち当たり、労多くして、益少なし、ということになることが多い。

 では、そういう話を避けて通ればいいではないか、というかもしれないが、これがなかなか難しい。

 そういう話に限って、入り口は小さな話だったりするからだ。

 ・・・・・この話も発端は小さな話だった。
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by Nijyuurou | 2009-11-24 01:13 | 『愛は砂の彼方に』