大航海時代online Boreasサーバー  マルコの航海日誌


by Nijyuurou
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<   2007年 11月 ( 8 )   > この月の画像一覧

『いかさま師?』

11月26日、ロンドン。

 中国画を売り捌いた金で、ブラブラとこの北の地まで流れてきた。

 が、正直、そろそろ稼がねばならない。

 ただでさえ海事訓練で金を使ったのだ。
 あまりブラブラとしてもいられないのが、財布の事情である。

 有り難いことに、ひさびさに冒険者ギルドに顔を出してみると、マスターが私向きの仕事があるといって、紹介状を書いてくれた。

 聖ゲオルギウスの調査をしてもらいたいというのだ。

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 依頼主はとある貴族の坊ちゃんである。

 騎士の鑑といわれるゲオルギウスに憧れ、彼について調べてもらいたい、と言うのだ。
 そして、もし可能なら、彼にゆかりの品物を見つけて欲しいという。

 私はハーフェズと顔を見合わせ、ほくそ笑んだ。


 金になる。


 酒場で少し早い祝杯を挙げながら気勢を上げていると、ドゥルシネアが不思議そうな顔でゲオルギウスってどんな人なの、と尋ねてきた。

 私とハーフェズは呆れた。
 
 私はゲオルギウスの龍退治の一節を彼女に聞かせ、さらに酒場のマスターが
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 と後押しをしてくれる。
 ようやくドゥルシネアは納得した顔で、ああ、セントジョージね、と、頷いた。

 そうではない。

 正しくは聖ゲオルギウス、である。
  
 私が青筋を立てて、『黄金伝説』を読め、と唸ると、ドゥルシネアは澄ました顔でわかりやすい方で良いじゃない、と言い放つ。
 ハーフェズが、どっちでもいい…これからどうする、マルコ、と呆れた顔で溜息を吐いた。

 私の思考はようやく現実に戻ってきた。


 ……聖ゲオルギウス。
 カッパドキアの出身の騎士。
 
 リュビア(現エチオピア)の町シレナで王女を助けて龍を退治した話が有名だ。

 ディオクレティアヌス帝とマクシミアヌス帝の頃、裁判官ダキアヌスの元で行われたキリスト教迫害において、殉教したといわれている。

 『アンティオケイア史』には十字軍の際に姿を現し、サラセン人と戦った、という伝説も記述されている。

 
 私の教科書『黄金伝説』にはこう記されている。
 
 ともかく、有名で、派手で、人気の高い聖人なのだ。
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 この老人もいっていたが、騎士の叙勲の際にも名前が出る、騎士道を具現化したような聖人なのである。

 
 そこまで、説明すると、でもそれがどうしてお金になるの、とドゥルシネアが再び不思議そうな顔をした。


 私とハーフェズは、おもわず鮫のように笑った。


 騎士の聖人なら、考えられる異物は、武器か鎧だ。

 要するに、『それらしいもの』を見つけ出して、『聖ゲオルギウスの○○』にしてしまえばいいのである。
 
 それを貴族の坊ちゃんに渡すと、彼は満足してお金を出すという仕組みなのだ。

 それを聞いて、ドゥルシネアが慌てたような顔で首を振った、それじゃ詐欺じゃない、と言うのだ。

 
 だが、ものは考えようだ。

 私は、世の中にある聖十字架を集めたら、どれくらいあると思う、と彼女にいった。

 私の知っているだけで十字架数十本分だ。 

 我らが主はどれだけでかい人間だったというのだ。

 ハーフェズは、聖釘というのは俺の知っているだけで20本はある、と言う。

 それだけ打ち込んだら、ハリネズミみたいになっちまうぞ、と。 


 ようするに、それだけまがい物があるという訳だが、それでも世の中問題なく回っている。

 ジパングのことわざに『イワシの頭も信心から』というものがあると聞くが、ともかく、信じてその品物を見れば、本物に見えてくるものなのだ。

 信じるものは救われる、のだ。

 
 そう言い合うと、私とハーフェズは上機嫌でグラスをぶつけ合った。

 ドゥルシネアが半眼で、絶対罰が当たるわよ、と言っているが、非科学的な話だ。

 
 とりあえず、明日からゲオルギウスの伝説を調査して、何を探せばいいか、考えることにしよう。  


<ルール75『良くできた贋作は本物と変わらない。』> 
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by Nijyuurou | 2007-11-27 22:22

『いかさま師?』

11月26日、ロンドン。

 中国画を売り捌いた金で、ブラブラとこの北の地まで流れてきた。

 が、正直、そろそろ稼がねばならない。

 ただでさえ海事訓練で金を使ったのだ。
 あまりブラブラとしてもいられないのが、財布の事情である。

 有り難いことに、ひさびさに冒険者ギルドに顔を出してみると、マスターが私向きの仕事があるといって、紹介状を書いてくれた。

 聖ゲオルギウスの調査をしてもらいたいというのだ。

c0124516_2220959.jpg
 
 依頼主はとある貴族の坊ちゃんである。

 騎士の鑑といわれるゲオルギウスに憧れ、彼について調べてもらいたい、と言うのだ。
 そして、もし可能なら、彼にゆかりの品物を見つけて欲しいという。

 私はハーフェズと顔を見合わせ、ほくそ笑んだ。


 金になる。


 酒場で少し早い祝杯を挙げながら気勢を上げていると、ドゥルシネアが不思議そうな顔でゲオルギウスってどんな人なの、と尋ねてきた。

 私とハーフェズは呆れた。
 
 私はゲオルギウスの龍退治の一節を彼女に聞かせ、さらに酒場のマスターが
c0124516_22202958.jpg

 と後押しをしてくれる。
 ようやくドゥルシネアは納得した顔で、ああ、セントジョージね、と、頷いた。

 そうではない。

 正しくは聖ゲオルギウス、である。
  
 私が青筋を立てて、『黄金伝説』を読め、と唸ると、ドゥルシネアは澄ました顔でわかりやすい方で良いじゃない、と言い放つ。
 ハーフェズが、どっちでもいい…これからどうする、マルコ、と呆れた顔で溜息を吐いた。

 私の思考はようやく現実に戻ってきた。


 ……聖ゲオルギウス。
 カッパドキアの出身の騎士。
 
 リュビア(現エチオピア)の町シレナで王女を助けて龍を退治した話が有名だ。

 ディオクレティアヌス帝とマクシミアヌス帝の頃、裁判官ダキアヌスの元で行われたキリスト教迫害において、殉教したといわれている。

 『アンティオケイア史』には十字軍の際に姿を現し、サラセン人と戦った、という伝説も記述されている。

 
 私の教科書『黄金伝説』にはこう記されている。
 
 ともかく、有名で、派手で、人気の高い聖人なのだ。
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 この老人もいっていたが、騎士の叙勲の際にも名前が出る、騎士道を具現化したような聖人なのである。

 
 そこまで、説明すると、でもそれがどうしてお金になるの、とドゥルシネアが再び不思議そうな顔をした。


 私とハーフェズは、おもわず鮫のように笑った。


 騎士の聖人なら、考えられる異物は、武器か鎧だ。

 要するに、『それらしいもの』を見つけ出して、『聖ゲオルギウスの○○』にしてしまえばいいのである。
 
 それを貴族の坊ちゃんに渡すと、彼は満足してお金を出すという仕組みなのだ。

 それを聞いて、ドゥルシネアが慌てたような顔で首を振った、それじゃ詐欺じゃない、と言うのだ。

 
 だが、ものは考えようだ。

 私は、世の中にある聖十字架を集めたら、どれくらいあると思う、と彼女にいった。

 私の知っているだけで十字架数十本分だ。 

 我らが主はどれだけでかい人間だったというのだ。

 ハーフェズは、聖釘というのは俺の知っているだけで20本はある、と言う。

 それだけ打ち込んだら、ハリネズミみたいになっちまうぞ、と。 


 ようするに、それだけまがい物があるという訳だが、それでも世の中問題なく回っている。

 ジパングのことわざに『イワシの頭も信心から』というものがあると聞くが、ともかく、信じてその品物を見れば、本物に見えてくるものなのだ。

 信じるものは救われる、のだ。

 
 そう言い合うと、私とハーフェズは上機嫌でグラスをぶつけ合った。

 ドゥルシネアが半眼で、絶対罰が当たるわよ、と言っているが、非科学的な話だ。

 
 とりあえず、明日からゲオルギウスの伝説を調査して、何を探せばいいか、考えることにしよう。  


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by Nijyuurou | 2007-11-27 22:22

『あるべき姿に』

11月25日、カリカット。

 死闘であった。

 ここ最近、日誌の更新をしていなかったが、別に怠けていた訳ではない。

 必死で海事の訓練をしていたのだ。

 ………先週はストックホルムで縫製をし、また、マディラとラスパルマスを往復して、椰子酒を作る夢を見ていたような気もするが、気にしては負けである。

 さて、ようやく
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 私の腕も戦闘用ガレオンを扱えるところまで到達した。

 
 ドゥルシネアは不満そうであるが、これでようやく冒険生活に戻れるというものだ。

 海事訓練を終えた私は、その足でカリカット北に行って発掘作業を行い、帰りの船賃を稼いだのだが。。

 面白いものを見つけた。
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 絵画、それもシナのものだと思う。 

 何故、こんなところにこんなものがあるのか……というのは少々不思議だが、ともかく価値のありそうなものだ。

 インドの生活に飽き飽きとしていた私は、勇んでヨーロッパに帰ると、
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 リスボンの交易所の直ぐ側で、絵画を捌くことにした。

 直ぐに買い手は付いた。

 若い女性が絵をしげしげと見つめて、珍しいですね、と言い、まとめてすべて買ってくれた。

 こういった、美術品のような品を捌くのは、やはり目利きの多い大都市の方がいいようだ。

 
 掘り、そして、売り捌く。

 
 これが私の原点だが、久々にこの原点に戻ってみると、面白くてしょうがない。

 やはり、密輸商人こそが、私の転職、のようである。


<ルール74『密輸商はどこまで行っても密輸商である』> 
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by Nijyuurou | 2007-11-25 23:24

『雨に降られて』

11月12日、カリカット。
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 インド洋に、冷たい雨が降り続く。

 ここ数日、無気力な日々が続いている。
 インド海賊との戦いも、散発的だ。
 向こうから時折砲撃を仕掛けてきたのに応戦をする程度である。

 ロクサーヌが居たら、激しく抗議し、怠惰な生活を改めるように言うだろうが、幸い今彼女はヴェネチアで休暇中。

 私も休暇のつもりで、だらだらと日を消している。
 ドゥルシネアは少々不満そうだが、私とハーフェズは二人して彼女を丸め込み、一日でも長くこのだらだらとした日々を引き延ばそうと試みているところだ。

 
 やはり、ひたすらに白兵戦の訓練を続けるのは辛いものがある。

 
 はっきり言うと私は戦いに倦んだのだ。

 
 突撃と銃撃の日々に飽きたのである。


 そろそろ、この国を出なくてはならない。
 いや、この国を出る必要はないかもしれないが、この海賊の肩書きは、そうそうに降ろすべきだ。

 そう思いつつ、今ひとつ、目標に向かって努力する気力もない。

 不思議なもので、目標に到達するまではこの国を出ないぞ、と言う誓いだけは私の心に絡みついて離れない。

 
 進むに進めず、戻るに戻れない。


 そして今日もまた、インド洋に灰色の雨が降り続く。
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<ルール73『疲れた時は、無理しないこと』> 
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by Nijyuurou | 2007-11-12 21:53

『むかしなじみ』

11月7日。

 古い馴染みは良いものである。
 

 まだ、駆け出しの頃から、ずうっと知っている。

 修業時代も知っている。

 そして、それなりの腕利きになった、今でも、知っている。



 誰にでも、そういう古い馴染みが居るはずだ。


 私にとって、もっとも古い馴染みの一人は、ある商人だ。

 初めてあった頃はまだ、本当に駆け出しの商人で、頼りなくもあったが、今は押しも押されもせぬ
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 大商人である。
  

 気が付くと、私よりずっと高いところにいた。


 だが、私の中では今でも、昔のままだ。

 大事そうに破れかけのレースカフスハンデラーを着ていた、そんな駆け出し商人の面影が残っている。


 ん?
 
 ………何故、急にそんなことを書き始めたか………?

 理由は簡単だ。
   


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 その服でカリカットの広場前に座るのはどうかと思うッ!!!!! 

『ルール72・<着るものは良く吟味すべし>』
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by Nijyuurou | 2007-11-09 00:57
11月5日、カリカット。

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 インドをうろついている賞金稼ぎの連中は、不思議なものを持っている。

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 これだ。
 
 何が不思議かといえば、このウィスキーを初めとする酒類は、インドでは売っても金にならない。
 しかもウィスキーを売っているのは北海……ロンドンのあたりだ。
 若しくは、自分でライ麦や小麦から作るかだが……。

 賞金稼ぎがせっせとウィスキーを生産している姿も、なかなかほほえましい、ものである。

 ただ、それも少々考えにくいことであるので、やはりロンドンあたりで買い込んだものであろう。
 
 いずれにしても、このあたりで売れない以上は、賞金稼ぎの連中が自分で飲むために持って来たと考えるのが自然である。

 こんなところで商品にならない酒を手に入れてしまう……そんな神の配剤には驚かざるを得ないが………。


 無論、我々も、酒は飲む。  

ロクサーヌはワインが好きだ。
 マイクロフトはやはりラム酒がいいという。
 ドゥルシネアはシェリーが好みである。
 
 ハーフェズのやつはイスラム教徒なので、酒は飲まない………かと思ったら、船に乗った後の第一声が、マルコ、お前ビールはおいてないのか、だった。

 私は、と言えば、ウィスキーがいい。
 あれが一番満足感がある。

 その点、私の好きなウィスキーが切れない、というのは非常に有り難い話…ではある。
 
 とはいえ、だ。
 この酒を売っても金にならないこのインドの地で大量のウィスキーを抱え込んでも仕方がないのは確かだ。

 一番質の良いのは船長室にこっそり持ち込んで、残りは
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 と言う仕儀と相成る。

 どうもアルコールがきついせいで、飲料水としての転用率ははかばかしくないが、怪我人の治療に使うなら上等だ。
 
 イイ消毒になる。

 
<ルール72 『消毒はしっかりすること』>
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by Nijyuurou | 2007-11-07 03:07

『Call of No-Kin』



11月4日、カリカット。
 
 海賊と賞金稼ぎを分ける境界線は、酷く曖昧だ。
 
 例えば、ある海賊は商船を襲うのみではなく、同業の海賊を襲って資金繰りをしたりしている。
 
 例えば、ある賞金稼ぎは、ほぼ非武装で国籍不明の商船を見つけると、突如牙を剥く海賊となることがある。

 いずれの場合にしても、往々にして脳が筋肉になりつつある、と言う事は共通している。

 いわゆる脳筋、と言うやつだ。

 そうなってくると、『弾道学と疾病学は学問だ』等という血迷ったことを平気で言うようになる。

 
 …さて。

 今、私は一応

 『広域海賊』
 
 と、いう肩書きでカリカットに滞在しているが、やっていることはほとんど賞金稼ぎだ。
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 同業のインド海賊を見つけては
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 一気に襲いかかり
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 相手の轟音弾で混乱しつつも、突撃と銃撃を繰り返して、拿捕していく。


 軍事教練とは厳しいもので、それを延々と繰り返す。

 
 …そうして、突撃、混乱、拿捕、突撃、混乱、拿捕を繰り返すうち、だんだんと頭がぼんやりとしていくのだ。 


 ………………だんだんと、弾道学は学問のような気がしてくる。


 今はまだ、それが少々血迷った考えだ、と言うことが頭で理解出来る。

 
 しかし、長く続けていると、私も危ないかもしれない。


 訓練は早めに終わらせようと思う。


<ルール71 『弾道学は学問ではない、はずである』>
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by Nijyuurou | 2007-11-05 22:18

『みかん色の純情』

10月31日、カリカット。
 
 資金調達も終え、カリカットでの軍事教練を再開する。

 私が暫くカリカットを離れていた間に、ナオ嬢を初めとする一艦隊が生物学の研究のため、ここカリカットにやってきているようだ。
 
 そして、もう一人。
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 エリック氏。

 だが、この日の彼はいつもの彼ではなかった。
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by Nijyuurou | 2007-11-01 22:47