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大航海時代online Boreasサーバー  マルコの航海日誌


by Nijyuurou
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『ドーティ』

 6月9日。

 海に戻ったとたん、ロクサーヌがヒステリーを起こした。

 すぐ服を着替えろと金切り声を上げ、頭から湯気を上げている。

 俺の格好に何か問題でもあるんだろうか・・・。
『ドーティ』_c0124516_2321640.jpg

 ・・・・・。

 言いたいことはわかる。

 ヨーロッパ人が現地の風俗に染まるのはどうか、というのはよくある議論だ。

 新大陸あたりの、肩で風切って歩いてるイスパニアの連中や、アジア方面に出て行ってるフランシスコ会の連中は、俺達の文化を至上のものと見て、それ以外の文化をいまだ発展途中の、洗練されていない文化と見ている節がある。
 そういう連中からしてみれば、現地の文化を受け入れることは、いうなれば優れた文化を持つヨーロッパ人の誇りを捨てる行為として見えるのだろう。
 だが、俺の考えとしては、文化はそれ自体が独自のもので、それに対して優劣をつけること自体がナンセンスだ。
 大体、中世ヨーロッパが学問どころじゃない状況だったころ、ギリシア期の学問の伝統を守っていたのアラビア圏の連中じゃないか・・・。

 ・・・そのあたりを懇々と説明し、考え方を改めるように言ったのだが、そういう話ではないと一蹴された。

 ドーティの何が悪いんだ・・・その土地の服は、その土地の気候風土に合わせて長い時間をかけて形成されていくもので、それだけにその土地には最もあった服なのである。

 熱いインドの気候には、露出部の多いドーティは涼しいし、汗で蒸れる事もない。衛生的だ。

 ・・・そういう部分を強調して説明したが、話を横にそらすなと一蹴された。

 ・・・・。

 要するに服を着ろ、という話だろう・・・・。

 ・・・・ボロボロになったヨーロッパの服をだましだまし着るよりは、現地で調達したドーティのほうが着心地もいい。第一、調達が簡単だし、帽子も手袋も靴も要らないんだ。

 そう、帽子と靴の予備がないんだよ・・・。

 郷に入りては郷に従えというし、インドでこの格好でいたところで、別に問題はないからな。

 ・・・ヨーロッパに帰るときには途中で服を買うさ。


<ルール11~服を着ろ。>
by Nijyuurou | 2007-06-09 23:04