『システィーナ』
2007年 07月 08日
7月7日、リスボン。
イングウェイ氏から、造船が可能という一報が入った。
彼は複合造船に掛けては右に出るもののない腕利きの船大工で、インドで修行していたこともあり、あちらの造船所には顔が利くが、今回は腕もさることながら、そのインドで顔が利く、というのが大事なのだ。
カリカットでは多くの船大工が修行をすることもあり、造船の技術……特に帆船の組み立てに関しては飛び抜けていて、本国では造れないような船の組み立てが可能だ。
そして、最近、カリカットに大規模な投資があったことで設備が新しくなり、新型の艦船が建造可能になった。
小型で、多数の帆柱を持つ快速艦船・・・軽クリッパーといわれる船だ。
先日ようやく建造可能になったという噂を聞いて、建造用の部品を集めていたのだが、イング氏がどうも足りない部品を集めてくれたらしい。
さて、噂の軽クリッパーでインドから帰ってきたイング氏と合流、一路インドを目指すことにしたのだが・・・ただ行くだけでは芸がないので、冒険者ギルドで依頼を受けて行くことにする。
『百獣の王』…何でもライオンを調査して欲しい、という依頼らしい。
何度かアフリカで見かけたことはあったが、詳しく調べたことはなかったので、ちょうどいい機会だ。
…途中、いつものように襲ってきた海賊船にどちらが速く停船協定を出せるか競ってみるが
この日のイング氏は船も変わっていたこともあり、絶好調であった。
先ず、シエラレオネ・・・そしてルアンダと船を進める。
途中、集まった情報によると、以前はかなり北の方でもライオンを見ることが出来た、という話だが、今はもう南の草原にしか生息していないという。
確かに、古代のエジプトではラムセス王がライオンを狩ったという話も残っているし、ローマのコロセウムに供されたという記録も見たことがある。
ヨーロッパの間近にも居たはずのライオンが今はもう遠く離れた南の地でしか見られないというのは、やはり人間に追われて、と考えた方がいいのかもしれない。
ともあれ、ソファラの北東のサバンナで、目標のライオンを発見・・・・
思わず掘ってしまった。
・・・・何事もなかったかのように、再度生態調査。
今度はしっかりと発見できたのだが
隣でイング氏はしっかりと見ていたようだ・・・。
ライオンの風下からじっと様子をうかがってみるが・・・どうもライオンは一頭の雄に複数の雌が集まって群れを作る生態を持っているようだ。
かといって、この雄ライオン、あまり動いている姿が見られない。
どうも、餌を取るのは雌の仕事で…かといって捕らえた獲物は雄が一番はじめに食している。
人間じゃ、こうはいかないのが悲しいところだ。
お前が羨ましいよ、と一言呟いて、私は調査を終えた。
調査終了後、いつものようにリボンを辿って上陸地点まで戻る。
ふと、周りを見回すとイング氏の姿がない。
どうも、リボンがないようだが・・・だいぶ混乱しているようだ。
私は、『イングさん、落ち着け』そう叫んだ。
私も彼もどうも今日は調子がおかしいらしい……。
サバンナを出た私たちは一路北…ザンジバルへ。
ここでもう一つ依頼をこなしていこうという寸法である。
ちょうど、人魚を捜して欲しい、という依頼があったのだが…。
…正直、またか…と思い、げんなりとする。
ロクサーヌの方を見ると、同じく表情が浮かない。
一人乗り気でいるのは船に乗ったばかりのドゥルシネアだけだ。
以前、カリブの方で似たような依頼を受けたが・・・結果、人魚どころか、アザラシのような生き物が見つかっただけだ…。
ともあれ、一縷の望みを掛けて、依頼を受ける。
イング氏といえば…
マルコ>よし、じゃあちょっとおとなしめ…
Yngwie>わわ…すごいw
…多分期待には応えられない…。
調査は先ずカリカットと言うことなので、季節風に乗り、一気にインドへ。
まず、造船所で船の手配をしてもらう。
6日ほど掛かるそうで、その間に人魚の調査を行うことにした。
…海面に浮かんで子供に乳をやっていたとか…鼻と口が出かかったとか…そういう、気の重い情報ばかりはいってくる。
結局、
今回も人魚とはかけ離れたものが出た。
脱力のあまり、記録がうまく取れていない…。
ドゥルシネアが呆然としている。
私だって泣きたい。
海の現実はあまりに非情だ、が
Yngwie>おおおおおおおお、すごい~
いや…私たちの欲しかったものは、こんなものではないはずだ…。
人魚はやはり、空想の生き物、なのだろうか…。
…傷心を引きずり、港に帰ってみると、船が完成していた。
一度に心の傷が癒える。
素晴らしい出来映えだ。
彼に頼んで正解だった…。
『システィーナ』と名付けたこの船に乗って、本日の航海は終わりとしよう。
<ルール26 ~ 人魚を見つけるためには先ず人魚を捜すことである>
イングウェイ氏から、造船が可能という一報が入った。
彼は複合造船に掛けては右に出るもののない腕利きの船大工で、インドで修行していたこともあり、あちらの造船所には顔が利くが、今回は腕もさることながら、そのインドで顔が利く、というのが大事なのだ。
カリカットでは多くの船大工が修行をすることもあり、造船の技術……特に帆船の組み立てに関しては飛び抜けていて、本国では造れないような船の組み立てが可能だ。
そして、最近、カリカットに大規模な投資があったことで設備が新しくなり、新型の艦船が建造可能になった。
小型で、多数の帆柱を持つ快速艦船・・・軽クリッパーといわれる船だ。
先日ようやく建造可能になったという噂を聞いて、建造用の部品を集めていたのだが、イング氏がどうも足りない部品を集めてくれたらしい。
さて、噂の軽クリッパーでインドから帰ってきたイング氏と合流、一路インドを目指すことにしたのだが・・・ただ行くだけでは芸がないので、冒険者ギルドで依頼を受けて行くことにする。
『百獣の王』…何でもライオンを調査して欲しい、という依頼らしい。
何度かアフリカで見かけたことはあったが、詳しく調べたことはなかったので、ちょうどいい機会だ。
…途中、いつものように襲ってきた海賊船にどちらが速く停船協定を出せるか競ってみるが
この日のイング氏は船も変わっていたこともあり、絶好調であった。
先ず、シエラレオネ・・・そしてルアンダと船を進める。
途中、集まった情報によると、以前はかなり北の方でもライオンを見ることが出来た、という話だが、今はもう南の草原にしか生息していないという。
確かに、古代のエジプトではラムセス王がライオンを狩ったという話も残っているし、ローマのコロセウムに供されたという記録も見たことがある。
ヨーロッパの間近にも居たはずのライオンが今はもう遠く離れた南の地でしか見られないというのは、やはり人間に追われて、と考えた方がいいのかもしれない。
ともあれ、ソファラの北東のサバンナで、目標のライオンを発見・・・・
思わず掘ってしまった。
・・・・何事もなかったかのように、再度生態調査。
今度はしっかりと発見できたのだが
隣でイング氏はしっかりと見ていたようだ・・・。
ライオンの風下からじっと様子をうかがってみるが・・・どうもライオンは一頭の雄に複数の雌が集まって群れを作る生態を持っているようだ。
かといって、この雄ライオン、あまり動いている姿が見られない。
どうも、餌を取るのは雌の仕事で…かといって捕らえた獲物は雄が一番はじめに食している。
人間じゃ、こうはいかないのが悲しいところだ。
お前が羨ましいよ、と一言呟いて、私は調査を終えた。
調査終了後、いつものようにリボンを辿って上陸地点まで戻る。
ふと、周りを見回すとイング氏の姿がない。
どうも、リボンがないようだが・・・だいぶ混乱しているようだ。
私は、『イングさん、落ち着け』そう叫んだ。
私も彼もどうも今日は調子がおかしいらしい……。
サバンナを出た私たちは一路北…ザンジバルへ。
ここでもう一つ依頼をこなしていこうという寸法である。
ちょうど、人魚を捜して欲しい、という依頼があったのだが…。
…正直、またか…と思い、げんなりとする。
ロクサーヌの方を見ると、同じく表情が浮かない。
一人乗り気でいるのは船に乗ったばかりのドゥルシネアだけだ。
以前、カリブの方で似たような依頼を受けたが・・・結果、人魚どころか、アザラシのような生き物が見つかっただけだ…。
ともあれ、一縷の望みを掛けて、依頼を受ける。
イング氏といえば…
マルコ>よし、じゃあちょっとおとなしめ…
Yngwie>わわ…すごいw
…多分期待には応えられない…。
調査は先ずカリカットと言うことなので、季節風に乗り、一気にインドへ。
まず、造船所で船の手配をしてもらう。
6日ほど掛かるそうで、その間に人魚の調査を行うことにした。
…海面に浮かんで子供に乳をやっていたとか…鼻と口が出かかったとか…そういう、気の重い情報ばかりはいってくる。
結局、
今回も人魚とはかけ離れたものが出た。
脱力のあまり、記録がうまく取れていない…。
ドゥルシネアが呆然としている。
私だって泣きたい。
海の現実はあまりに非情だ、が
Yngwie>おおおおおおおお、すごい~
いや…私たちの欲しかったものは、こんなものではないはずだ…。
人魚はやはり、空想の生き物、なのだろうか…。
…傷心を引きずり、港に帰ってみると、船が完成していた。
一度に心の傷が癒える。
素晴らしい出来映えだ。
彼に頼んで正解だった…。
『システィーナ』と名付けたこの船に乗って、本日の航海は終わりとしよう。
<ルール26 ~ 人魚を見つけるためには先ず人魚を捜すことである>
by Nijyuurou
| 2007-07-08 23:51