『密輸商の理』
2007年 09月 23日
9月12日マニラ。
手記を読み進めるうち、いくつもの新たな真実が浮かび上がった。
だが、私達のするべき事は変わらない。
この手記を持って、エレナを連れ、セビリアに帰る。
協力を約束してくれるレガスピと別れ、私達は再び船上の人となった。
次の目的地はテルナーテだと言うことだ。
香料諸島のほぼ中心…この航海でも、ほぼ行程の半ばに当たる場所である。
テルナーテへの途中、海で不気味な歌声が聞こえてきて、慌てて耳栓を耳に突っ込んだが……聞こえてくる歌はヨーロッパもこの香料諸島も変わらない。
化け物に国境はないと言うことだろうか……。
さて…テルナーテに到着すると、街役人が揉み手で姿を見せた。
うさんくさい男だ、と思っていると、まず開口一番
出航所役人>せっかくこの街に来られたんですから、香辛料を買ってみてはいかがでしょう
と来た。
いきなり商売の話か……。
幾人もの船乗りが命を懸けても手に入れたかった香辛料……と言うことであるが・・・。
まあ、言われてみれば確かに買って帰るのも良いかもしれない。
台所で使うスパイスも切れてきているし、何より、この航海の費用を捻出しなくてはならない。
そうと決めると、私は素早く交易所に潜り込み、クローブを大量に買い付けることにした。
…が、交易所の親父もだんだん狡賢くなってきているのだろう、話しに聞いていた値段の2倍の値段でふっかけてくる。
やはり、多数の商人がやってくるようになると、こういう弊害もあるようだ。
狡っ辛い交易所の親父と丁々発止のやりとりを演じて、ようやくクローブを買い付け、船に戻ってみると、エレナが出航所の役人と難しい顔をして話をしているところだった。
手記の一件から、エレナは難しい顔で考え込むことが多くなった。
無理もない。
自分の父親が死んだこと……それも殺された、という事実はこの少女が背負うには少々重すぎる。
何故、自分の父親が死ななくてはならなかったのか………その理由を自分なりに探しているのだと思う。
しばらくはそっとしておくのが良いかもしれない……。
私は、そうおもって荷物の積み込みに専念することにしたが、私の姿を見つけたエレナが、
エレナ>ねぇ、マルコさん。ここの香辛料って、そんなにすごいものなの?
と声を掛けてきた。
私は正直少しほっとした。
何だ、そんな質問か、と言う感じである。
……なんだか人生を鋭くえぐるような質問をされたらどうしようかと思った……。
私は、ほっとした勢いに乗り、凄いとも、と力を込めて彼女に言った。
ここの香辛料の味はやはり他のところにはないものがある。
インドの胡椒も凄いが、ここの香辛料は本当に素晴らしい…。
特に、焼き物に使うと何にでも合う、と答えると、エレナも役人も妙なものを見る目で首をかしげた。
あまりおかしな顔をするので、私は周りで働いている連中に声を掛けてみる………。
ロクサーヌははっきりと、それは間違いですね、と言った。
焼き物に使うのは洗練されていないそうだ。
スープに入れるのがいいらしい。
そうか、なるほど、と納得していると、今度はドゥルシネアがやってきて、シナモンはお菓子に入れるといい!、と力説をはじめた。
マイクロフトが、いやいや、飲み物に入れてもなかなか……と続けた。
私もシナモンをコーヒーに入れて飲むのが好きだ。
普通に考えるとあまりに贅沢な飲み物だが……現地で調達した材料なら、さほど金は掛からない。
結局、帰りにコーヒーを仕入れて試してみよう、と言うことで落ち着いた。
楽しみだ。
そう告げると、エレナと街役人から、大きなため息が帰ってきた。
一体香辛料をなんだと思っているのだ、と。
曰く、ここの香辛料は、インド商人、アラビア商人の手を経て、陸路でヨーロッパに渡るため、ヨーロッパに着く頃には凄い値段になっているのだというのだ。
今ひとつぴんとこない……。
エレナ>でも、おいしい料理を食べたいからってそんなに苦労するものなのかな…ハーブとかで十分な気がするけど…
エレナもぴんと来ていないようだが、それは違う。
食に懸ける情熱は海を越えるのだ。
出航所役人>一度知ってしまったらいかに高価でも使わずにはいられない
そう、その通りだ。
役人め、なかなか良いことを言うな、と思って聞いていると、今度はこっちに向き直り、
出航所役人>ですが、そんな品を誰の手も介さず ヨーロッパに持ち帰れたなら、どうでしょう
と、聞いてきた……。
またぴんとこない。
おそらく、何か彼の中では『凄いこと』があるのだろうが…。
なんともないことだろう。
そう答えるしかない。
が、何ともないとは……と役人は絶句した。
だが、何ともないものは何ともない。
今までも様々な品物を運んだが、常に現地から客のところまで、私が直に運んでいる。
第一、直接に向こうに運んだところで、品物自体の値段がさほど変わる訳ではない。
結局、その間の関税がインドやイスラム商人の懐にはいるか、それとも自国の国庫に入るか、という、ただそれだけの違いだ。
正規のルートを通せば、どこかしらでピンハネされるのだ。
………つまり、ピンハネをするのがどこか、という話だけである。
だから、供給量が安定してきた割には、市場に出回る香辛料の値段はあまり変わっていない。
…私は金が欲しい。
金はあればある方がいい。
いい服も着たいし、美味いものも食べたい。
それ以前に、船を動かすのにも金がいる。
私にとって金儲けとは、それがすべて………の、ようだ。
別に国家のためとか、英雄になるためにやってる訳では、ないのである。
要するに生活費を稼いでいるだけのような気がする………。
…それをだ。
話を混ぜっ返すようだが、商人ギルドだの、徴税吏等という連中が出てきて、まじめな商人の懐から、いくらかピンハネしようとするなどけしからん。
そう言うことをしているから物の値段がおかしくなるのである。
だから、そう言う連中に一杯食わせてやるために裏ルートで香辛料を横流しするのだ。
……私は、話の途中から思わず興奮して、傍らの樽に飛び乗り、腕を振り回して乗組員達に訴えていた。
けしからん、のあたりで大分拍手を貰った気はする。
エレナは、もう何がなんだか、と言う顔をしている……。
正直、すまなかった…。
だが…出航所の役人は、なにかきな臭いものを感じたのだろう。
………私の顔と、まさに積み込まれつつあるクローブの山を見比べて、商人ギルドの交易鑑札はお持ちですか、と尋ねてきた。
…よくぞ聞いてくれた、と言う気がする。
今日、いろいろと聞いてきた中で、一番まともな質問だ。
私の名はマルコ。
ジェノヴァの密輸商人である。
ギルドの鑑札などという品のないものは
当然ない。
引きつった笑顔でその旨を告げると、役人はやはり引きつった笑顔で次の目的地はディリだと言った。
そしてもう一言、今すぐ出て行ってくれ、と付け加えた。
・・・香辛料を大量に積み込み、良い気分で港を出た。
以前も書いたが、ウチの船は食料品や香辛料は自家消費してしまうため、交易品として積むことは少なく、積むならば、かさばらずに価値の高い宝石や工芸品が多い。
ただ、今回積んでいるのは純粋に交易品としての香辛料だ。
それも、非常に価値のある。
私は甲板に日よけ傘を出し、長椅子に寝そべって、『マクベス』を読み始めた。
上機嫌だった。
この香辛料をリスボンあたりで捌けば、今回の航海費用は十分にまかなえる。
さらにおつりが来る。
そのおつりで何をしようかな、と考えると、どうしても頬が緩まざるを得ない。
実際に頬が緩んでいたのだろう、船員達は私の顔を見て、呆れたような顔をしている。
…ただ、思わず出航所の役人に余計なことを言ってしまい、港には半日停泊しただけとなった事だけが心残りだ。
ロクサーヌは風呂に入り損ねた、とむくれているが、まあ、よしとしよう…。
そんなのんきなことを考えていた、その時である。
マスト上のドゥルシネアが、船影が見える、と大きな声を上げた。
私はちらりと目をやり、一応望遠鏡で確認をしてみたが……どうもヨーロッパ型の船である。
現地の海賊ならともかく、この香料諸島まで来て、ヨーロッパ人の海賊でもあるまい、と私は再び『マクベス』に目を落とした。
ところが、数分すると望遠鏡を目に当てたマイクロフトが
船長!砲をこちらに向けやした!俺たちがなにしたってんだ!
と騒ぎはじめた。
私は、『マクベス』に目をやったまま、担ぐなよ、馬鹿、と笑った。
海賊などと言うものは、香料諸島まで行く手間を省くために、カナリア沖あたりに網を張って、帰りの船を狙うものだ。
こんなところで海賊をやって何を奪うというのだ、香辛料が欲しければ一山いくらで売っている。
だが、マイクロフトはしつこく、なにいってんですか、と叫ぶ。
私は再び、先ほどの艦影に望遠鏡を向けた。
砲門がこちらを向いている。
思わず、ヤベェ、と声が出た。
シェークスピア風に言うと、オウ、シット、だ。
ドゥルシネアがさらに、周りを囲まれてるみたい、と叫ぶ。
そう言うことは先に言って欲しかった…。
慌てて状況を確認してみると、敵船は軽ガレオン程度だが、ご丁寧に8隻もいる。
捕まれば只ではすまないが、周りはぐるりと取り囲まれ、抜けられそうなのは6時方向…いったん戻るしかない。
ディリには東の島から迂回していくしかなくなるが………やむを得ない。
今すぐ回頭しなければ、捕まるしかなくなる!
そんなことを考えている間に、砲弾が飛んでくるのが見えた。
私は『マクベス』を放り捨てて飛び起きると、回頭の命令を出した。
<ルール54『人の話はちゃんと聞く。』>
手記を読み進めるうち、いくつもの新たな真実が浮かび上がった。
だが、私達のするべき事は変わらない。
この手記を持って、エレナを連れ、セビリアに帰る。
協力を約束してくれるレガスピと別れ、私達は再び船上の人となった。
次の目的地はテルナーテだと言うことだ。
香料諸島のほぼ中心…この航海でも、ほぼ行程の半ばに当たる場所である。
テルナーテへの途中、海で不気味な歌声が聞こえてきて、慌てて耳栓を耳に突っ込んだが……聞こえてくる歌はヨーロッパもこの香料諸島も変わらない。
化け物に国境はないと言うことだろうか……。
さて…テルナーテに到着すると、街役人が揉み手で姿を見せた。
うさんくさい男だ、と思っていると、まず開口一番
出航所役人>せっかくこの街に来られたんですから、香辛料を買ってみてはいかがでしょう
と来た。
いきなり商売の話か……。
幾人もの船乗りが命を懸けても手に入れたかった香辛料……と言うことであるが・・・。
まあ、言われてみれば確かに買って帰るのも良いかもしれない。
台所で使うスパイスも切れてきているし、何より、この航海の費用を捻出しなくてはならない。
そうと決めると、私は素早く交易所に潜り込み、クローブを大量に買い付けることにした。
…が、交易所の親父もだんだん狡賢くなってきているのだろう、話しに聞いていた値段の2倍の値段でふっかけてくる。
やはり、多数の商人がやってくるようになると、こういう弊害もあるようだ。
狡っ辛い交易所の親父と丁々発止のやりとりを演じて、ようやくクローブを買い付け、船に戻ってみると、エレナが出航所の役人と難しい顔をして話をしているところだった。
手記の一件から、エレナは難しい顔で考え込むことが多くなった。
無理もない。
自分の父親が死んだこと……それも殺された、という事実はこの少女が背負うには少々重すぎる。
何故、自分の父親が死ななくてはならなかったのか………その理由を自分なりに探しているのだと思う。
しばらくはそっとしておくのが良いかもしれない……。
私は、そうおもって荷物の積み込みに専念することにしたが、私の姿を見つけたエレナが、
エレナ>ねぇ、マルコさん。ここの香辛料って、そんなにすごいものなの?
と声を掛けてきた。
私は正直少しほっとした。
何だ、そんな質問か、と言う感じである。
……なんだか人生を鋭くえぐるような質問をされたらどうしようかと思った……。
私は、ほっとした勢いに乗り、凄いとも、と力を込めて彼女に言った。
ここの香辛料の味はやはり他のところにはないものがある。
インドの胡椒も凄いが、ここの香辛料は本当に素晴らしい…。
特に、焼き物に使うと何にでも合う、と答えると、エレナも役人も妙なものを見る目で首をかしげた。
あまりおかしな顔をするので、私は周りで働いている連中に声を掛けてみる………。
ロクサーヌははっきりと、それは間違いですね、と言った。
焼き物に使うのは洗練されていないそうだ。
スープに入れるのがいいらしい。
そうか、なるほど、と納得していると、今度はドゥルシネアがやってきて、シナモンはお菓子に入れるといい!、と力説をはじめた。
マイクロフトが、いやいや、飲み物に入れてもなかなか……と続けた。
私もシナモンをコーヒーに入れて飲むのが好きだ。
普通に考えるとあまりに贅沢な飲み物だが……現地で調達した材料なら、さほど金は掛からない。
結局、帰りにコーヒーを仕入れて試してみよう、と言うことで落ち着いた。
楽しみだ。
そう告げると、エレナと街役人から、大きなため息が帰ってきた。
一体香辛料をなんだと思っているのだ、と。
曰く、ここの香辛料は、インド商人、アラビア商人の手を経て、陸路でヨーロッパに渡るため、ヨーロッパに着く頃には凄い値段になっているのだというのだ。
今ひとつぴんとこない……。
エレナ>でも、おいしい料理を食べたいからってそんなに苦労するものなのかな…ハーブとかで十分な気がするけど…
エレナもぴんと来ていないようだが、それは違う。
食に懸ける情熱は海を越えるのだ。
出航所役人>一度知ってしまったらいかに高価でも使わずにはいられない
そう、その通りだ。
役人め、なかなか良いことを言うな、と思って聞いていると、今度はこっちに向き直り、
出航所役人>ですが、そんな品を誰の手も介さず ヨーロッパに持ち帰れたなら、どうでしょう
と、聞いてきた……。
またぴんとこない。
おそらく、何か彼の中では『凄いこと』があるのだろうが…。
なんともないことだろう。
そう答えるしかない。
が、何ともないとは……と役人は絶句した。
だが、何ともないものは何ともない。
今までも様々な品物を運んだが、常に現地から客のところまで、私が直に運んでいる。
第一、直接に向こうに運んだところで、品物自体の値段がさほど変わる訳ではない。
結局、その間の関税がインドやイスラム商人の懐にはいるか、それとも自国の国庫に入るか、という、ただそれだけの違いだ。
正規のルートを通せば、どこかしらでピンハネされるのだ。
………つまり、ピンハネをするのがどこか、という話だけである。
だから、供給量が安定してきた割には、市場に出回る香辛料の値段はあまり変わっていない。
…私は金が欲しい。
金はあればある方がいい。
いい服も着たいし、美味いものも食べたい。
それ以前に、船を動かすのにも金がいる。
私にとって金儲けとは、それがすべて………の、ようだ。
別に国家のためとか、英雄になるためにやってる訳では、ないのである。
要するに生活費を稼いでいるだけのような気がする………。
…それをだ。
話を混ぜっ返すようだが、商人ギルドだの、徴税吏等という連中が出てきて、まじめな商人の懐から、いくらかピンハネしようとするなどけしからん。
そう言うことをしているから物の値段がおかしくなるのである。
だから、そう言う連中に一杯食わせてやるために裏ルートで香辛料を横流しするのだ。
……私は、話の途中から思わず興奮して、傍らの樽に飛び乗り、腕を振り回して乗組員達に訴えていた。
けしからん、のあたりで大分拍手を貰った気はする。
エレナは、もう何がなんだか、と言う顔をしている……。
正直、すまなかった…。
だが…出航所の役人は、なにかきな臭いものを感じたのだろう。
………私の顔と、まさに積み込まれつつあるクローブの山を見比べて、商人ギルドの交易鑑札はお持ちですか、と尋ねてきた。
…よくぞ聞いてくれた、と言う気がする。
今日、いろいろと聞いてきた中で、一番まともな質問だ。
私の名はマルコ。
ジェノヴァの密輸商人である。
ギルドの鑑札などという品のないものは
当然ない。
引きつった笑顔でその旨を告げると、役人はやはり引きつった笑顔で次の目的地はディリだと言った。
そしてもう一言、今すぐ出て行ってくれ、と付け加えた。
・・・香辛料を大量に積み込み、良い気分で港を出た。
以前も書いたが、ウチの船は食料品や香辛料は自家消費してしまうため、交易品として積むことは少なく、積むならば、かさばらずに価値の高い宝石や工芸品が多い。
ただ、今回積んでいるのは純粋に交易品としての香辛料だ。
それも、非常に価値のある。
私は甲板に日よけ傘を出し、長椅子に寝そべって、『マクベス』を読み始めた。
上機嫌だった。
この香辛料をリスボンあたりで捌けば、今回の航海費用は十分にまかなえる。
さらにおつりが来る。
そのおつりで何をしようかな、と考えると、どうしても頬が緩まざるを得ない。
実際に頬が緩んでいたのだろう、船員達は私の顔を見て、呆れたような顔をしている。
…ただ、思わず出航所の役人に余計なことを言ってしまい、港には半日停泊しただけとなった事だけが心残りだ。
ロクサーヌは風呂に入り損ねた、とむくれているが、まあ、よしとしよう…。
そんなのんきなことを考えていた、その時である。
マスト上のドゥルシネアが、船影が見える、と大きな声を上げた。
私はちらりと目をやり、一応望遠鏡で確認をしてみたが……どうもヨーロッパ型の船である。
現地の海賊ならともかく、この香料諸島まで来て、ヨーロッパ人の海賊でもあるまい、と私は再び『マクベス』に目を落とした。
ところが、数分すると望遠鏡を目に当てたマイクロフトが
船長!砲をこちらに向けやした!俺たちがなにしたってんだ!
と騒ぎはじめた。
私は、『マクベス』に目をやったまま、担ぐなよ、馬鹿、と笑った。
海賊などと言うものは、香料諸島まで行く手間を省くために、カナリア沖あたりに網を張って、帰りの船を狙うものだ。
こんなところで海賊をやって何を奪うというのだ、香辛料が欲しければ一山いくらで売っている。
だが、マイクロフトはしつこく、なにいってんですか、と叫ぶ。
私は再び、先ほどの艦影に望遠鏡を向けた。
砲門がこちらを向いている。
思わず、ヤベェ、と声が出た。
シェークスピア風に言うと、オウ、シット、だ。
ドゥルシネアがさらに、周りを囲まれてるみたい、と叫ぶ。
そう言うことは先に言って欲しかった…。
慌てて状況を確認してみると、敵船は軽ガレオン程度だが、ご丁寧に8隻もいる。
捕まれば只ではすまないが、周りはぐるりと取り囲まれ、抜けられそうなのは6時方向…いったん戻るしかない。
ディリには東の島から迂回していくしかなくなるが………やむを得ない。
今すぐ回頭しなければ、捕まるしかなくなる!
そんなことを考えている間に、砲弾が飛んでくるのが見えた。
私は『マクベス』を放り捨てて飛び起きると、回頭の命令を出した。
<ルール54『人の話はちゃんと聞く。』>
by Nijyuurou
| 2007-09-23 23:55
| 『Circumnavigation』